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サーモン ディップネッティング
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川下りから帰った同じ週末、友達のくまちゃんがディップネッティングに連れて行ってくれた。

ディップネッティングとは、大きな網で魚を捕まえること。
私達はくまちゃんに教えられたとおり、チェストウェイダーやディップネットを買って用意していたのだ。(ディップネットについて詳しくは、くまちゃんのディップネッティングのページを見て下さい。)


今まで魚釣りに行っても魚を釣った事がないメルモ家族。
それでも、網ですくうんならきっと獲れるんじゃないか。

いや、これだけお金をかけてるんだから、必ず鮭を獲らなければいけない!


川下りの疲れもまだ取れてないが、かなりの使命感に燃えて、キーナイリバーへと向かったのであった。




キーナイに着いて、ディップネッティング場を探した。前夜に出発したくまちゃんとは、トランシーバーで連絡を取り合う。
そこは、知らなければきっと行けない、ディップネッティングの看板も何も立っていない場所。

着いてびっくり。
今まで見た事もない景色が広がっていた。
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すすす、すごいんですけど。
大きな網を持った人々がたくさん、川の中にきれいに並んでるよ。


なんだか興奮。
私も急いでウェイダーを着て、水の中に入ってみた。

水の中に入った途端、驚いた。
ウェイダーの中の空気が、全部吸い込まれる感じだ。
かなりのバキューム感。
なんなんだ、これは。

自分が真空パックにされてるよ。


水圧と戦いながら、大きな網を持って水の中に立つ。
簡単ではない。
しっかり立ってないと、流されそうな勢いだ。
そして網は、重くて持つだけで大変。
腕をプルプルさせながら、懸命に網を持つ。

これは、痩せるかもしれない。



くまちゃん&くまちゃん夫のネモト君にアドバイスをもらいながら、頑張った。
何人か、鮭が網に入り浜辺まで引きずっていってる人を羨ましく見詰めながら、ずっと網を持っていた。



結果その日は残念ながら、鮭は私の網には入ってくれなかった。







まさかの、収穫ゼロ。


くまちゃん夫婦は、前日と朝に、何匹かの鮭を獲っていた。
キャンプの用意をしていたけど、疲れていた私達は、たった3時間で諦めてしまった。


しょうがない。
また3時間半の道のりを、悲しい気持ちでアンカレッジまで帰っていったのだった。








そしてよく週末、リベンジ。

今度こそ、獲るよ。
川下りの疲れもすっかりとれたし、気合は充分。金曜の夜から浜辺でキャンプをしながらの、長丁場で挑戦だ。
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夜の8時半、到着。
その日は約束してなかったが、やはり来ていたくまちゃんと浜場で会った。


リーガンがテントを張って用意している間の2時間、私が川に入って網を持つ。
でも、収穫はやっぱりゼロ。


寒くなったので、テントの中に入ってリーガンと交代。
テントの中から川にいるリーガンの様子を見ていると、10分くらいで何やら慌しい動きをしだした。
浜辺にいるくまちゃんに、ガッツポーズしている。



これはついに、獲ったか?

子供達と走って行ってみた。
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リーガン、鮭ゲーーット!!

やった。ついにやったよ。
その後、制限時間までの15分の間に、2匹の鮭を獲ったのだった。



翌日も、リーガンは大漁。
朝からどんどん鮭を獲る。


私はというと、川に入っても、一匹も収穫がないままだった。





しかし、お昼頃。
リーガンがランチを買いに行ってる間、ついにきた。
びりびりと、網に鮭が入る感触。


必死になって浜辺まで網を引きずっていった。
とうとうやった!私も鮭ゲット!!
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浜辺にいたくまちゃんが、気付いて私の所まで走ってきてくれた。


大騒ぎの私達。
まずは獲った鮭をワカーで、トドメをささなければいけない。

隣にいたお兄さんが、
「手伝おうか?」
と声をかけてくれた。


私が答える前にくまちゃんが、

「いいの。これは彼女の初めての鮭なの。
彼女が自分で全部処理するから!」

と、叫んでいた。






く、くまさん?
私は、お兄さんに手伝ってもらいたかったのに...。




「いいから早く。これ持って。」
と、くまちゃんに勢いよく棒を渡され、恐る恐るトライしてみる私。


叩こうとすると鮭は、砂浜を大きく飛び跳ねた。





ぎゃー。怖いって!!



大騒ぎしていた私達は、浜辺でも目立っていたようだ。
「魚を踏んで叩け。」
周りのみんなが、親切に教えてくれる。
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怖い、怖い、怖い!!

ギャーギャー叫びながら、必死で叩く私。
そんな私の姿を写真まで撮る、くまさん。



「もう死んでるって。」
さっきのお兄さんから、ツッコミを入れられてしまった。





怖いのは、私か。



サーモンを一匹獲り終え、すっかり満足してもう川にも入らず椅子に座り、リーガンを待つ私。
一匹獲ったから、もういい。大満足。帰ってもいいくらいだよ。




買い物から帰ってきたリーガンは、その鮭を見て、やったやったと喜んでくれた。
しかし、その後リーガンが川に入ったら鮭がたくさんやって来て、休む間もないくらい次々と鮭が獲れた。

どんどん溜まる、リーガンが獲った鮭。
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島出身なのに、魚の切り身しか触れない私。
「私は魚を捌けない。リーガン、自分で処理してよ。」
そう言っていたのに、必要に迫られて、浜辺で鮭の頭を落とし、内臓を取り出す処理をした。

ずっとした。
泣きながらした。




もうこれは、趣味を超えてるよ。
鮭、怖い。
アラスカ恐るべし。




結局収穫は、鮭40匹。
そのうち私2匹、リーガンが38匹。



どんどん獲れる鮭を目の前にして、リーガンがつい言ってしまった一言。
「メルモ、2匹だけ?俺がいない間、いったい何してたの。」




がーーん。

私が最初に獲った鮭を、あんなに喜んでくれたリーガンはどこに?



家に帰ってからも、魚処理は続く。
切り身にし、真空パックにし、スモークサーモンにし。
毎日夜中の2時まで、作業に追われる私達。


アラスカのサーモン作業。
本当に、趣味を超えてます。
まだまだアラスカには、驚かされてるな。
by shs_merumo | 2007-08-20 16:40 | アウトドアの楽しみ方


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