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バックパッキングその4 〜慌てた事色々〜
翌日。
雨はすっかり上がり、空気の澄みきった朝を迎えた。
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おお〜。絵に描いたような美しい景色。
心が洗われるね。


お湯を沸かし、コーヒーとオートミールの朝食をとる。
するとそこに、アラシの友達ジェイがやって来た。
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このステラズジェイという青い鳥。
昨日アラシがこっそりレーズンをあげていて、慣れてしまった様子。
「ジェイ、ジェイ!」
と呼び、アラシはすっかり友達気分。
ジェイはすごく側までやって来て、アラシと遊んでいる(ように見える)。


朝食が終わると子供達はまた、相変わらず釣れない釣りをしたり、ポイント稼ぎに落ちてる枝を拾ったり。
リーガンは、ナイフで木に彫刻をしだして、こんな作品を作っていた。
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「人の顔ってどんなだったかな?」
と、私をじっと見ながら彫っていた。

もしかして、この怖い男の顔は私ですか?


昼食が終わると、風が強くなってきた。
ゴーゴーと大きな音を立てる強風。
これはいい!と、リーガンは子供達と凧を揚げた。
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風はますます強くなり、寒さに我慢出来なくなった私はテントの中に逃げる。
するとムサシもアラシも、リーガンまでもが一緒にテントの中に避難してきた。

家族みんなでお昼寝タイム。
みんな疲れていたのか、すぐに深ーい眠りについた。


ガサゴソという音で目が覚めると、ムサシとリーガンが探検に行ってくると言う。
アラシはまだ眠っている。
念のためのナイフだけ残して、2人は出かけていった。


しばらくして、アラシが起きた。
起きるなり、ローストマシュマロが欲しいと泣く。

しょうがない。
寒いし、起きて火でも炊くか。


テントを出て、かまどの側へ。
ところが。
ライターがない事を思い出した。


しまった、リーガンが着ていったジャケットの中だ!


マグネシウム発火装置があったはずと、リーガンのバックパックの中を探した。


寒いしアラシは泣いてるしトイレにも行きたいし。

焦る焦る。


物色していると、バックパックのポケットの中からチョコレートバー4本を見付けた。
リーガン、こんなの持ってきてたんだ。

そして反対側のポケットに、ベイリーズの小瓶も発見!
何故こんな物がここに?
リーガンは、アルコールを飲む人じゃないのに。


とりあえず、私のポケットの中に没収しておいた。


そして、ようやくマッチ発見!
あった〜。助かった!!

しかし、マッチは残り数本だけしかなかった。
これは失敗出来ない。


急いでかまどに木を置き、その上にテキトーに乾いた草を置いてマッチで火をつけた。

でも、悲しい事に火はすぐ消えてしまった。


もう一度マッチを擦り、草に火をつける。
草は燃えたが、木に到達するまでに火は消えてしまう。
焦って何度もマッチを擦る。そして、ことごとく消えてしまう炎。


マッチはとうとう、残り2本だけになってしまった。

「マシュマロー、マシュマロー!」
アラシの泣き声は、さらに大きくなっている。


...どうしよう。



落ち着け、自分。


リーガンが教えてくれた焚き火の作り方を思い出し、木をどけて、最初から丁寧に作ってみた。

木を四角に積んでから、中に燃えやすい枯れ草とか入れるんだった。
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(写真は、松ぼっくりでキャンプファイヤーを作る練習をするムサシ)

そして火をつけた。


火は、草を燃やし、そして見事に木も燃えて大きな炎になった。



やったー!


危機一髪だ。
エライぞ、私。



しばらく火を見て、アラシの念願どおり、ローストマシュマロを作っていたら、どこからか口笛のような音が聞こえてきた。
辺りを見回すと、ずっと向こうの川辺の方に、ムサシとリーガンが手を振っている姿があった。


手を降り返そうとしたその時。


ウオーーー。
突然サイレンのような大きな音がした。

 

狼の声だった。
たくさんの狼が、一斉に吠えたのだ。
声は、リーガン達がいる山の方から聞こえてきた。

野生の中にいる事を、改めて感じた瞬間だった。



そして、その夜。
「今夜がキャンプ最後の夜だよ。お祝いしよう!」
と、リーガンが持ってきたのは、あの昼間に見付けたチョコレートだった。

そして、
「あれ、メルモに特別なサプライズがあったのに。」
と、バッグを探すリーガン。



もしかして、探している物は、あのベイリーズですか?



あれならすでに、昼間のうちに。
コーヒーと共に、私のお腹の中へ。



そしてその夜は、オオカミの遠吠えを聞きながら、就寝。
翌日に無事キャンプを終え、一行は山を下ったのであった。
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by shs_merumo | 2007-06-04 18:15 | アウトドアの楽しみ方


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